(戦前の)鉱種は銀・銅となっていますが、鉛・蒼鉛・コバルト・重石の産出もあり、現在では、銅銀山というよりも、ビスマス鉱山としての印象が強い。 鉱区番号は採掘181号。
戦前の鉱山施設跡には、コンクリート製の諸設備が幾つか残っていますが、建物の痕跡は無く、盛り土され整地されています。


沢の上下に、二箇所の渡河ポイントがあります。 上流側から渡ると、すぐ目の前が小野鉱床の坑口前庭になりますが、ここも盛り土され整地されています。 斜坑は埋められ、本坑はコンクリートで閉塞されるなど、鉱害防止工事が行われており、坑口前庭に在った廃石の多くは、坑道内部に移されていると考えて間違いないでしょう。


坑口を閉塞したコンクリート壁に、水色の化学反応物(これは「鉱物」と呼ばない)が生じていますが、これは、この坑口の数10m上方にある、1号坑(旧坑)に残存する黄銅鉱Chalcopyriteなどの硫化鉱物が、酸化して雨水と反応し、硫酸塩鉱物を生じさせている為だと思われます。

この坑口周辺だけ、岩石が散らばっていますが、坑口直近の露頭に、誰かが掘った痕跡が残っているので、その時のモノでしょう。 露頭採取をするのであれば、旧坑部しかないと思います。 ただ、新坑部でしっかりとした鉱害防止工事が行われている以上、旧坑部にも何らかの処置が施されていると思います。 容易に辿り着けるのであれば、坑口が閉塞されているでしょうし、そうでなければ、坑口への経路を削り落として近づけないようにしてあると思います。 私自身、危険を考えて1号坑口を踏査していないので、何とも言えませんが、佐々並鉱山に出かける主目的は、BiではなくCoなので、何れはアタックしてみる予定です。
坑口前庭を、遠目から撮影すると、下の写真の通り、雑木林と笹薮に変わり果てていることが判ると思います。 斜面に植えられたスギ・ヒノキの林縁を覆うように笹薮が拡がっている場所では、「イノシシのねぐら」ではないかと思えるような空間が幾つかあって、正直、ドキッとします。 ただ、岩石の検分に没頭して立ち止まるような場所ではないので、しっかりと物音をたてながら進めば、イノシシに出遭うことはないと思います。

沢の下流側に向かってしばらく薮こぎすると、山神社と疎水坑の水路が現れます。
薬王寺鉱山の山神社は朽ちて解体されてしまいましたが、ここの社は扉が外れている以外は、まだ大丈夫な様子。 山神社が残存している鉱山では必ず、社(ご神体のある場所)を参拝し、「眠りを妨げたお詫び」と「帰宅するまでの安全祈願」をしています。 剥離骨折・亀裂骨折・ハンマーで指を叩いたりなど、怪我をするのはいつも山神社の無い鉱山ばかりなので。


疎水坑の坑口が崩れて埋まっていることは資料で知っていましたが、坑口前に何か鉱石が沈んでいないか、水路を浚ってみようかと近づいてみました。 水路は、崩れた石垣などが堰き止める形になっており、坑口近くでの水深等は30cm以上あると思われ、あわや作業ブーツ内部に浸水するところでした。 落ち葉などの沈降物でぬかるみにもなっており、足抜きもとても悪く、引き返すのにとても苦労しました。
下流側の渡河ポイントの手前には、斜面に大きな岩が突き出ており、笹薮がそれを囲んでいます。 慎重に進まないと、一気に沢へと滑落してしまう難所です。 山神社や疎水坑に興味が無ければ、小野坑の坑口前庭から下流側へと進まず、上流側の渡河ポイントに戻ることをお奨めしますが、旧坑部に向かうのでなければ、沢を渡ること自体、意味が無いようにも思います。
佐々並鉱山の主要坑は小野坑ですが、もう一つ、吹原坑というのもあり、そちらにも足を運んでみました。
小野坑から北東へ620m、資料に載っていた通り、吹原鉱床の遺構らしき石垣がありました。 谷底へ向かって横から雪崩落ちている土砂もあり、ズリではないかと思いましたが、周囲にコレクターが訪れている痕跡はなく、大正時代の資料にも、既に「頽廃」と記されている短命な鉱床だけにスルー。 谷底へと下りて転石を割ってみたほうが良かったのか・・・

蒼鉛Biの採掘を目的として再開発が試みられた、昭和40年代の建物が残っていますが、近づくのは危険です。 建物の骨材はかなり錆びており、所々で折れ曲がっていたりしており、いつ瓦解してもおかしくない状況です。 波形石綿スレート葺きの屋根も、その多くが落下して割れ、砕けており、舞い上がったアスベストを吸い込む危険が大いにあります。 密着型のマスクを用意しておく等、注意は必要です。

建物内部にはホッパーが残っていますが、ハシゴや周辺に散在している木材は、見た目とは裏腹に、スカスカして折れ易く、ホッパー内部を覘こうと近づけば、床板を踏み抜いて大怪我をする可能性があります。 アスベストの件も含め、建物には極力近づかないようにしたほうが賢明です。
再開発時のズリには、如何にも「硫化鉱物を含んでいます」といった、酸化して焼けた石がゴロゴロ転がってはいるのですが、割って現れるのはショボイ黄銅鉱ばかり。 角閃石とは明らかに異なる、鉛灰色の鉱物がアイキン鉱Aikiniteで、鋼灰色の鉱物がクルプカ鉱Krupkaiteと思うのですが、掲載に値するレベルとなると未だ・・・orz
イージーなズリだけに、ビスマス鉱物の良品が採取できるのだろうかと途中で挫けそうになるのですが、とにかく粘り強く割っていくしかないようです。
佐々並鉱山 萩市大字佐々並
戦前の鉱山施設跡には、コンクリート製の諸設備が幾つか残っていますが、建物の痕跡は無く、盛り土され整地されています。


沢の上下に、二箇所の渡河ポイントがあります。 上流側から渡ると、すぐ目の前が小野鉱床の坑口前庭になりますが、ここも盛り土され整地されています。 斜坑は埋められ、本坑はコンクリートで閉塞されるなど、鉱害防止工事が行われており、坑口前庭に在った廃石の多くは、坑道内部に移されていると考えて間違いないでしょう。


坑口を閉塞したコンクリート壁に、水色の化学反応物(これは「鉱物」と呼ばない)が生じていますが、これは、この坑口の数10m上方にある、1号坑(旧坑)に残存する黄銅鉱Chalcopyriteなどの硫化鉱物が、酸化して雨水と反応し、硫酸塩鉱物を生じさせている為だと思われます。

この坑口周辺だけ、岩石が散らばっていますが、坑口直近の露頭に、誰かが掘った痕跡が残っているので、その時のモノでしょう。 露頭採取をするのであれば、旧坑部しかないと思います。 ただ、新坑部でしっかりとした鉱害防止工事が行われている以上、旧坑部にも何らかの処置が施されていると思います。 容易に辿り着けるのであれば、坑口が閉塞されているでしょうし、そうでなければ、坑口への経路を削り落として近づけないようにしてあると思います。 私自身、危険を考えて1号坑口を踏査していないので、何とも言えませんが、佐々並鉱山に出かける主目的は、BiではなくCoなので、何れはアタックしてみる予定です。
坑口前庭を、遠目から撮影すると、下の写真の通り、雑木林と笹薮に変わり果てていることが判ると思います。 斜面に植えられたスギ・ヒノキの林縁を覆うように笹薮が拡がっている場所では、「イノシシのねぐら」ではないかと思えるような空間が幾つかあって、正直、ドキッとします。 ただ、岩石の検分に没頭して立ち止まるような場所ではないので、しっかりと物音をたてながら進めば、イノシシに出遭うことはないと思います。

沢の下流側に向かってしばらく薮こぎすると、山神社と疎水坑の水路が現れます。
薬王寺鉱山の山神社は朽ちて解体されてしまいましたが、ここの社は扉が外れている以外は、まだ大丈夫な様子。 山神社が残存している鉱山では必ず、社(ご神体のある場所)を参拝し、「眠りを妨げたお詫び」と「帰宅するまでの安全祈願」をしています。 剥離骨折・亀裂骨折・ハンマーで指を叩いたりなど、怪我をするのはいつも山神社の無い鉱山ばかりなので。


疎水坑の坑口が崩れて埋まっていることは資料で知っていましたが、坑口前に何か鉱石が沈んでいないか、水路を浚ってみようかと近づいてみました。 水路は、崩れた石垣などが堰き止める形になっており、坑口近くでの水深等は30cm以上あると思われ、あわや作業ブーツ内部に浸水するところでした。 落ち葉などの沈降物でぬかるみにもなっており、足抜きもとても悪く、引き返すのにとても苦労しました。
下流側の渡河ポイントの手前には、斜面に大きな岩が突き出ており、笹薮がそれを囲んでいます。 慎重に進まないと、一気に沢へと滑落してしまう難所です。 山神社や疎水坑に興味が無ければ、小野坑の坑口前庭から下流側へと進まず、上流側の渡河ポイントに戻ることをお奨めしますが、旧坑部に向かうのでなければ、沢を渡ること自体、意味が無いようにも思います。
佐々並鉱山の主要坑は小野坑ですが、もう一つ、吹原坑というのもあり、そちらにも足を運んでみました。
小野坑から北東へ620m、資料に載っていた通り、吹原鉱床の遺構らしき石垣がありました。 谷底へ向かって横から雪崩落ちている土砂もあり、ズリではないかと思いましたが、周囲にコレクターが訪れている痕跡はなく、大正時代の資料にも、既に「頽廃」と記されている短命な鉱床だけにスルー。 谷底へと下りて転石を割ってみたほうが良かったのか・・・

蒼鉛Biの採掘を目的として再開発が試みられた、昭和40年代の建物が残っていますが、近づくのは危険です。 建物の骨材はかなり錆びており、所々で折れ曲がっていたりしており、いつ瓦解してもおかしくない状況です。 波形石綿スレート葺きの屋根も、その多くが落下して割れ、砕けており、舞い上がったアスベストを吸い込む危険が大いにあります。 密着型のマスクを用意しておく等、注意は必要です。

建物内部にはホッパーが残っていますが、ハシゴや周辺に散在している木材は、見た目とは裏腹に、スカスカして折れ易く、ホッパー内部を覘こうと近づけば、床板を踏み抜いて大怪我をする可能性があります。 アスベストの件も含め、建物には極力近づかないようにしたほうが賢明です。
再開発時のズリには、如何にも「硫化鉱物を含んでいます」といった、酸化して焼けた石がゴロゴロ転がってはいるのですが、割って現れるのはショボイ黄銅鉱ばかり。 角閃石とは明らかに異なる、鉛灰色の鉱物がアイキン鉱Aikiniteで、鋼灰色の鉱物がクルプカ鉱Krupkaiteと思うのですが、掲載に値するレベルとなると未だ・・・orz
イージーなズリだけに、ビスマス鉱物の良品が採取できるのだろうかと途中で挫けそうになるのですが、とにかく粘り強く割っていくしかないようです。
佐々並鉱山 萩市大字佐々並
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